直線軌道並進CT原理の説明 

直線起動のCTシステムは工業分野の非破壊検査と強く結び付いて発展を遂げてきました。特にスピードを要する自動検査ラインでは検査サンプルが常に移動している状態でCTスキャンを行い、また検査のスピードも要求されるので円周タイプのCTシステムでは行うのが難しいという観点からこのCTシステムは自動検査ラインをメインに使用されております。従来の直線起動のCTシステムは3D情報を得る事が技術的に困難な為、2D情報だけで欠陥を検出しているので確実性が乏しいという難点がありました。

そこで新しく開発されたのがTomoShop®:HT エディション・シリーズです。HTエディション・シリーズの直線軌道並進CTの再構成技術は、X線源、サンプル及びカメラに回転を付加しない直線移動の検査ラインで3D断層情報を得る事が可能です。 直線軌道系CTの代表的な種類としては並進平行ビームCT(Parallel beam CT)、並進ファンビームCT(Fan beam CT)、並進コーンビームCT(Cone beam CT)そして並進平行ファンビームCT(Pararel fan beam CT)が上げられます。このページでは、TomoShop®:HT エディション・シリーズに使われている並進CTの原理を使いこれら各CT形態の定理を導く流れを説明します。

並進CTの再構成結果の例

先ず、各CT形態の定理説明に移る前に前準備として並進平行ビームと射影切片定理の説明をしてそれから各形態の定理について説明します。

基本定理の説明(並進平行ビームの定理、射影切片定理)

HTシリーズで使う原理には並進平行ビームの定理と射影切片定理の二つの数式を使用します。ここではこれら二つの定理について説明します。

並進平行ビーム

下記に記す式では、並進平行ビームの各投影角度θに対して投影データを表示している事を表しています。

上記の式にフーリエ変換を行うと下記の式となります。

射影切片定理

次式はCT射影切片定理の数式となります。

さあこれで前準備は終わりました。次の説明はこれら二つの定理から導き出された数式を使い各CT形態の定理について説明します。

並進平行ビームCT再構成 (Parallel beam CT reconstruction)

CT射影切片定理から、正確な画像再構成式ができます。その式を下記に示します。

並進ファンビームCT再構成 (Fan beam CT reconstruction)

上記の並進平行ビームのCT再構成式から、正確なファンビームCT再構成式ができます。その結果が次式となります。

並進コーンビームCT再構成 (Cone beam CT reconstruction)

上記の並進ファンビームCT再構成式を従来のFDK法に拡張しますと、並進コーンビームCT再構成再構成式を求める事ができます。

並進平行ファンビームCT再構成 (Parallel fan beam CT reconstruction)

並進平行ビームCTの再構成式を従来のFDKタイプに拡張すると、次の並進平行ファンビームスCTの再構成式が求められます。